ビジネスの現場での英語スピーキング力を測るテスト「VERSANT」
実践的な英語力を測る指標として、現在存在感を高めつつあります。
今回は、ビジネスマンが短期間でVERSANTのスコアアップを目指すために必要な対策を徹底解説します。
VERSANTのスコアアップを目指す方はもちろん、仕事に英語を使う必要がある方や海外で活躍したい方はぜひ参考にしてください。
VERSANTとは
VERSANTは実践的なビジネス英会話力を測るためのテストです。ここではVERSANTの基本的な情報や出題内容を紹介します。
VERSANTの概要
最初に、VERSANTの概要を理解しておきましょう!
前述したように、VERSANTは実践的な英語力を試すテストです。
テストの問題は英語の音声で出題されて、それに対して、口頭で英語で答えます。
回答の音声は、AIを使った音声認識と自動採点システムで採点されます。スマートフォンやパソコンなどで、いつでも、どこでも受験が可能です。
非常に実践的な内容と利便性もあり、さまざまな国で英語力を測る指標として導入されてきており、日本でも200社以上の企業で採用時などの参考として導入されています。
ここではそんなVERSANTについて、以下の項目について紹介します。
- 試験の形式
- 試験時間
- 配点
- 受験料
それでは1つずつ見ていきましょう。
試験の形式
VERSANTの問題は全63問です。80点満点で採点されます。
採点にはAIシステムが採用されているため、結果が出るまでの時間も早く、一貫した採点基準のため客観性・信頼性も高いです。
テストはPart A〜Fの6パートで構成されています。
- Part A:音読
- Part B:復唱
- Part C:質問
- Part D:文の構築
- Part E:ストーリーテリング
- Part F:自由回答
VERSANTの公式サイトでサンプルの音声を聞くことができるので、テストのレベル感や雰囲気を知りたい方は聞いてみるとよいでしょう。
試験時間
VERSANTのテスト時間は約20分です。
スピーキングのみのテストなので、比較的短時間で済むということも特徴の1つですね。また、インターネット上で受講でき、AIによる自動採点ということもあり、24時間365日いつでも受験することが可能です。
採点結果もすぐに確認できるため、忙しい方でも受講しやすいです。
配点
VERSANTのスコアは20点〜80点の間で評価されます。
評価の対象となるのは以下の4項目です。
- 文章構文
- 語彙
- 流暢さ
- 発音
上記4項目がそれぞれ20点〜80点で採点され、各項目の加重平均から総合点が算出されます。
配点の比重は、語彙と発音が20%、文章構文と流暢さは30%の比重で算出されます。そのため、文章構文と流暢さを重視すべきと言えます。
受験料
VERSANTには4つのテストがありますが、一般にVERSANTというときは「VERSANT English Speaking Test」を指す場合がほとんどです。
それぞれお受験料は以下の表の通りです。
テストの種類 | 料金 |
---|---|
VERSANT English Speaking Test | 5,500円(税込み) |
VERSANT English Speaking & Writing Test | 8,800円(税込み) |
VERSANT English Writing Test | 4,400円(税込み) |
VERSANT English Placement Test | 7,700円(税込み) |
「お試し受験」という無料トライアルもあるので、試しに受験してみたいという方は試してみるとよいでしょう。
VERSANTで目指すべきスコア
VERSANTはTOEICや英検に比べるとマイナーなテストと言えます。そのため、どれくらいのスコアを目安にするべきかわからない方も多いでしょう。
一般にVERSANTのスコアは以下のようなレベルとなっています。
- 日本人の平均スコア:38点
- 海外赴任に必要なスコア:47点
- ネイティブと議論できるレベル:58点以上
- 満点(ネイティブレベル):80点
海外赴任を目指すのであれば、47点以上を目標にするとよいでしょう。
VERSANT対策のポイント
VERSANTはスピーキングに特化した試験です。また、すべて英語音声での出題となるため、リスニング力も必要です。
他の試験とは異なる特徴があるので、ハイスコアを目指すなら、しっかりと対策しましょう。
VERSANT対策はリスニング力が鍵
VERSANTでは全ての問題が英語音声で出題されます。
問題の英語音声を正確に聞き取れないと、回答することもままなりません。
そのため、VERSANTを受験する際はリスニング対策をしっかりとしておく必要があります。
配点は均等ではない
前述したとおり、配点は均等ではありません。
- 文章構文 :30%
- 流暢さ:30%
- 語彙:20%
- 発音:20%
上記のような比重で採点されるため、流暢さや文章構文を重視して対策することがハイスコアを取るために効率的です。
休止や詰まりも減点対象
VERSANTでは回答までの時間や詰まり、休止なども評価の対象となります。
もちろん、通常の会話で起こり得る程度の休止や言い直しであれば特に問題はありません。
しかし、回答までの時間が明らかに長かったり、不自然な休止があったり、何度も言い直すなどのことがあると減点対象となるので注意しましょう。
そのため、VERSANT対策をするときは、頭の中で正確な英文を組み立てて、なるべく流暢に話すように意識する必要があります。
VERSANTのPart別対策
VERSANTは6つのパートに分かれており、それぞれで実施すべき対策が異なります。
パートごとに対策をすることで効率的にスコアアップが狙えますので、1つずつ見ていきましょう。
また、すでにVERSANTを受験したことがある方は、苦手部分を重点的に対策することがおすすめです。
Part A:音読(Reading)の対策
音読は8問あります。
画面に表示される12の英文のうち8つを音声の指示に従って読み上げます。
英文が画面に表示されたら、一通り英文に目を通しておき、読み上げるときのイメージを掴んでおきましょう。
区切る場所や抑揚についても意識することが大切です。
Part B:復唱(Repeat)の対策
Part B は、聞こえてきた英文を復唱するテストです。
全部で16問あります。
英語音声は1回しか流れないので、聞き逃さないように集中して臨みましょう。
後半になるにつれて文章も長くなるので、最後まで集中力を切らさないこと、前半で確実に点数を取っておくことが大切です。
完全に同じ文を復唱しないといけないため、短期的な記憶力も必要ですね。
Part C:質問(Questions)の対策
Part C では英語の音声で質問されたことに対して単語で答えます。質問は全部で24問あります。
【例】
質問:What’s season comes before spring?
回答:winter.
質問の文章は比較的簡単なものが多いですが、集中していないと聞き逃してしまうため、丁寧に聞き取るようにしましょう。
質問が2択であれば、正解がわからなくてもどちらかを回答すれば50%の確率で正答できます。
Part D:文の構築(Sentence Builds)の対策
Part D は、バラバラになった単語や短文を聞き取って、1つの正しい文に作り直して回答します。問題は10問あります。
正確に単語や短文を聞き取る力と、それを組み替える文章構築スキルが試されます。
【例】
音声:was reading / my mother / her favorite magazine
回答:My mother was reading her favorite magazine.
上記のように3つの単語や短文を聞き取ってから文章に作り変えるので、短期記憶が必要になります。
同じ意味の異なる単語に置き換えると減点となるので注意しましょう。
Part E:ストーリーテリング(Story Retellings)の対策
英語の短いストーリーを聞いたあとに、その内容を自分の言葉で伝えるテストです。問題は3問あり、ここでは英語の総合力を試されます。
ストーリーは30秒程度の短いものです。
ここまでのテストと異なり、音声とまったく同じ単語を使用しなくても問題ありませんが、出てきた単語を使用した方がAIに認識してもらいやすく、点数を確保しやすいでしょう。
登場人物、シチュエーション、行動、結末をしっかりと描写することがポイントです。
Part F:自由回答(Open Questions)の対策
Part F は、簡単な質問に対して自由に回答します。
このパートは採点対象にはなっていないため、スコアには関係ありません。
ただし、会社などで受験している場合は人事担当者などが参考にするケースもあるようなので、状況によってはしっかりと取り組む必要があるでしょう。
VERSANTテストに必要な対策
ここまで、VERSANTの概要や出題内容を見てきました。
ここからはVERSANTのスコアアップを目指すためにやるべき学習について紹介していきます。
VERSANT対策として有効なのが以下の5つです。
- 音読
- リスニング対策(シャドーイングなど)
- 瞬間英作文
- 精聴・精読
- オンライン英会話
それでは1つずつ紹介していきます。
音読は必ず取り入れよう
Part A の音読は確実に点数を取っていきたいところです。また、音読自体にもリスニング力の強化や発音・流暢さの改善効果もあるため、VERSANT対策に音読は欠かせません。
テキストは音声付きのものを選んで、正しい発音を確認しながら練習しましょう。
リスニング力アップにはシャドーイング
リスニングができないとそもそも問題文を聞き取ることができないので、対策は必須です。
リスニングの強化にはシャドーイングがおすすめです。
効果的なシャドーイングのやり方は以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
瞬間英作文で瞬発力を上げる
VERSANTは回答するまでの時間や休止なども採点対象になります。瞬間的に英語で答える力を付けるなら、瞬間英作文がおすすめです。
日本語を介すトレーニングなので、「オールイングリッシュ派閥」からは敬遠されがちですが、大人になってからの外国語習得は母国語を介した方が効率的です。
英語で考える力を養うよりも、日本語→英語の翻訳スピードを上げる方が効果が早く現れますので、まずはそちらから学習することをオススメします。
精聴・精読で表現力を高める
表現の引き出しを増やすなら、精聴・精読もオススメです。
ただし、VERSANTは文章のレベル自体はそれほど高くないため、基本的な語彙力とリスニング・発音の強化を優先しましょう。
オンライン英会話で英会話スキルを底上げ
日本人は英語で話すことに対して抵抗感を持っている方が多いようです。
そのため、学校の英語の成績はいいものの英会話はできないという方が多くいます。
英語で話すことへの抵抗感をなくすには、とにかく英語で話す頻度を増やすことが効果的です。
オンライン英会話であれば毎日レッスンをしても6000円程度と安いスクールも多いため、学習した内容のアウトプットに活用するとよいでしょう。
VERSANTテスト受講時の対策
VERSANTを受験する際は、自分で環境を整える必要があります。
ここでは、VERSANTのテストを受ける際のポイントを紹介します。
音読・シャドーイングでウォームアップ
VERSANTの受験前は英語モードに切り替えるために、音読やシャドーイングを軽くやってウォーミングアップしておきましょう。
VERSANTは試験時間も短いので、集中力を高めた状態で臨むことが大切です。
ただし、やりすぎて試験前に疲れないように注意してくださいね。
簡単な文章を何度か音読したり、いつもやっているシャドーイング教材を軽くやってから臨むとよいでしょう。
マイクなしの有線イヤホンを準備する
VERSANTはパソコンでもスマートフォンでも受験できます。
どちらのデバイスを使用するにしても、マイクなしの有線イヤフォンを用意しておくとよいでしょう。
VERSANTの音声は若干ノイズが乗っていて聞き取りづらいので、音声に集中できるようにイヤフォンを使用するのがオススメです。
また、音が飛んでしまうリスクがない有線タイプがよいですね。
コードにマイクが付いているタイプのイヤフォンもありますが、コードが揺れたり、マイクに触れて雑音が入ると採点不可となってしまう場合があるため、推奨されていません。
静かな部屋で受講する
音声が聞き取りやすい静かな環境で受験しましょう。
また、雑音が入ってしまうと回答にも影響がある可能性があるため、雑音が入る可能性を限りなく小さくすることがオススメです。
テスト時間は20分程度と短いため、窓をしっかりと閉めて、静かな環境を作りましょう。
採点対象ではない設問を把握しておく
VERSANTは採点対象外となっている設問が複数あります。
- Part A〜Dの1問目は採点対象外
- Part F の2問目は採点対象外
上記の設問は採点対象外なので、それほど力を入れなくてもよいと言えます。
極端に気を抜いてしまうのもよくないですが、適度に合間合間で集中力を回復させながら回答していきましょう。
文章構文と流暢さを重視しよう
繰り返しになりますが、VERSANTでは「文章構文」と「流暢さ」が重視されています。
文章を素早く組み立てること、極力休止せずに話すことで、多少語彙力が不足していたりしてもカバーすることができます。
VERSANT対策におすすめのスクール・教材
ここまで、VERSANTの内容と必要な対策を紹介しました。
ここからは、具体的にVERSANT対策に活用して欲しいスクールや教材を紹介していきます。
音読にオススメ
『速読速聴・英単語』シリーズ
英語学習者にとっては定番のシリーズですが、音声・スクリプト付きで語彙力の強化もできる『速読速聴・英単語』シリーズはVERSANT対策にもオススメです。
音読やシャドーイングのトレーニングに役立てましょう。
シャドーイングにオススメ
シャドーイングは、質の高い無料教材がインターネット上に複数ありますので、積極的に活用するとよいでしょう。
News in Levels

「News in Levels」は英文ニュース題材にを3段階のレベルで英語を学べます。
音声、スクリプトが付いており、シャドーイングに積極的に活用したい教材です。
BBC Learning English

「BBC Learning English」はイギリスの国営放送BBCが提供している英語学習サイトです。初心者〜上級者まで対応した教材が揃っているため、段階的に英語力を伸ばしたい方にとっても活用できるサイトになっています。
レベル別のオススメは以下の通りです。
初心者:The English We Speak
中級者:English at Work
上級者:British Chat
以下の記事でも、レベル別にシャドーイングの教材を紹介しているので、本格的にシャドーイングに取り組みたい方は参考にしてみてください!
瞬間英作文にオススメ
『瞬間英作文』シリーズ
瞬間英作文といえばこれですね!
基本的な文法を一通り学べるので、パターンプラクティスとしても最適です。
おすすめのオンライン英会話
オンライン英会話は、VERSANT対策としてもオススメです。
実際の会話でインプットした知識を活用することで、知識が定着しますし、何よりも英語を話すことに対しての抵抗感がなくなります。
DMM英会話

DMM英会話は複数の調査で満足度No.1になっているオンライン英会話スクールです。知名度も高く、講師数も多く、さらに、24時間受講可能なため忙しいビジネスマンでも都合に合わせて受講することができます。
サービス | DMM英会話 |
運営会社 | 合同会社DMM.com |
月額料金 | 毎日1レッスン:6,480円(税込) 毎日2レッスン:10,780円(税込) 毎日3レッスン:15,180円(税込) ※各コース初月半額 |
入会金 | なし |
受講可能時間 | 24時間 |
講師 | 124ヵ国の非ネイティブ講師 ネイティブの講師 |
レッスン形式 | マンツーマン |
利用ツール | Eikaiwa Live |
予約可能時間 | 開始15分前まで |
キャンセル可能時間 | 開始30分前まで |
公式サイト | https://eikaiwa.dmm.com/ |
ネイティブキャンプ

レッスン回数無制限のネイティブキャンプは、短期集中で英会話に慣れたい方にオススメです。ネイティブのレッスンは別途料金がかかりますが、うまく活用すれば他のオンライン英会話よりもかなりお得に受講できます。
サービス | ネイティブキャンプ |
運営会社 | 株式会社ネイティブキャンプ |
月額料金 | スタンダード:6,480円(税込) ファミリープラン:1,980円(税込) ネイティブ受け放題オプション:9,800円(税込) |
入会金 | なし |
受講可能時間 | 24時間 |
講師 | イギリス、ボスニア、セルビア、フィリピン、日本など世界120ヵ国以上 |
レッスン形式 | マンツーマン |
利用ツール | 独自システム・専用アプリ |
予約可能時間 | 開始10分前まで(今すぐレッスンは予約不要) |
キャンセル可能時間 | 開始60分前まで |
レアジョブ

レアジョブは日本においては老舗とも言えるオンライン英会話スクールです。講師の採用率が3%とかなり厳しい採用基準となっているため、講師・レッスンの質が高く、安心です。
サービス | レアジョブ英会話 |
運営会社 | 株式会社レアジョブ(RareJob, Inc.) |
月額料金 | 日常英会話コース 月8回:4,620円(税込) 日常英会話コース 25分/日:6,380円(税込) 日常英会話コース 50分/日:10,670円(税込) 日常英会話コース 100分/日:17,600円(税込) ビジネス英会話コース 25分/日:10,780(税込) 中学・高校生コース 25分/日:10,780(税込) |
入会金 | なし |
受講可能時間 | 6:00〜25:00 |
講師 | フィリピン・ 日本 |
レッスン形式 | マンツーマン |
利用ツール | レッスンルーム(Webブラウザまたはアプリ) |
キャンセル可能時間 | 開始30分前まで |
公式サイト | https://www.rarejob.com/ |
ハツオン

ハツオンは、英語の発音に特化したオンラインサービスです。短期間で流暢な英語を話せるようになりたい方はぜひチェックしてみてください。
料金:242,000円(税込み)
VERSANT対策まとめ
今回はVERSANT対策について紹介しました。
VERSANTは英語のリスニング力、スピーキング力が総合的に問われる試験なので、ハイスコアを目指す方はしっかりと対策しておく必要がありますね。
VERSANTのテスト内容や対策方法について理解していただけたでしょうか?
テストだからといっって、小手先のテクニックで対策するのでははなく、しっかりとした英語力を身に付けるように学習していきましょう。
もし、「英語の学習習慣が身につかない…」「モチベーションが保てない…」「今やっている勉強が合っているか不安…」という方は英語コーチングを利用するのも1つの選択肢です。
料金は安くありませんが、短期集中で英語力を一気に伸ばせますし、専任のカウンセラーによるモチベーション面のサポートや学習計画の作成などもあります。
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