英語の能力を測る試験としてはTOEIC、TOEFL、英検が有名どころですよね。この記事を読んでいる方も上記の試験だったらだいたいどれくらいの点数でどれくらいのレベルが想像がつくのではないでしょうか?
しかし、VERSANTはどうでしょう?
VERSANTは実践的なビジネス英会話力を測る指標として、日本国内でも用いられるようになってきてきます。
「VERSANTを受けたけど、自分のスコアはどのくらいのレベル?」
「自分の実力だとどのくらいのスコアを目指したらいいの?」
こんな疑問を持っている方はぜひ参考にしてください。
VERSANTはビジネス英会話力を測るテスト
上述したようにVERSANTは実践的なビジネス英会話力を測るためのテストです。ここではVERSANTの基本的な情報や出題内容を紹介します。
VERSANTの基本情報
VERSANTは、イギリスのPearson社が開発した英会話スキルを測るテストで、日本では日本経済新聞社が提供しています。
VERSANTには、VERSANT English Placement Test、VERSANT English Writing Test、VERSANT English Speaking Testなど複数の種類がありますが、日本で単にVERSANTという場合は「VERSANT English Speaking Test」を指す場合がほとんどです。
この記事でも「VERSANT English Speaking Test」について扱います。
- AI判定のスピーキングテスト
- スマートフォンやPCで24時間受験可能
- 6パート・63問
- 所要時間は約20分
- 20点〜80点で評価
VERSANTは英語で出題された問題に英語スピーキングで応える形式のスピーキングテストです。PCやスマートフォンなどのデジタル端末でいつでも受験できます。
スコアは20点〜80点となっており、「文章構文」、「語彙」、「流暢さ」、「発音」が評価の対象となります。
評価項目 | 概要 |
---|---|
文章構文 | 文章構文は文単位の発話の中で語句や節を理解、把握、使用できる能力です。 パフォーマンスは正確な構文処理と適切な単語、フレーズ、および節の使用の 熟達度により左右されます。 |
語彙 | 語彙力は、構文中の日常的かつ一般的な単語を理解し、自在に表現する能力です。 日常的な単語の形式と意味の理解、また関連する発言におけるそれらの用法の 熟達度によりスコアが判定されます。 |
流暢さ | 流暢さは文を構築したり、読み上げたり、復唱するなかでみられるリズム、 語句の切れ目、テンポの良さなどから判定されます。 |
発音 | 発音は、文脈においてネイティブ同様に子音や母音を発音し、 ストレス(音の強弱)を正しく置くことのできる能力です。 日常単語の音韻構造の知識によりスコアが判定されます。 |
VERSANTの出題内容
VERSANTのテスト内容は6パートに分かれており、各セクションでリスニング力やスピーキング力を測ります。
パート | 出題形式 | 概要 |
---|---|---|
A | 音読(8問) | 提示された文章を、指示された順序で声を出して読むことで 「流暢さ」「発音」を診断 |
B | 復唱(16問) | 音声で流れた文章を聞こえた通りに繰り返すことで 「文章構文」「流暢さ」「発音」を診断 |
C | 質問(24問) | 質問で使用された単語を使って回答することで 「語彙」を診断 |
D | 文の構築(10問) | ばらばらに並び替えられた単語または単語の連なりを聞き、 文章を正しく作り答えることで「文章構文」「流暢さ」を診断 |
E | 話の要約(3問) | 短い物語を聞き、内容を自分の言葉で正確に伝えることで 「文章構文」「語彙」「流暢さ」「発音」を診断 |
F | 自由回答(2問) | 簡単な質問に対して自由に回答する |
VERSANTのスコアと英語レベルの目安
VERSANTのスコアと英会話レベルの目安
VERSANTの公式サイトでは、目安では以下のように表示されています。
スコア | CEFR | レベル | 目安 |
---|---|---|---|
20-25 | – | 直接、かつ、ゆっくり話されればいくつかの単語を理解できることがある。 基本的な挨拶ができることがある。 全般的に語彙力が非常に限られている。 | 意思疎通は難しい |
26-35 | A1 | 個人的なことやよく知られたテーマについて簡単に述べることができる 発話は非常に短く断片的。ほぼ定型表現のみ。 語彙が少なく、頻繁に途切れる。 母国語のなまりが強く残る。 | 意思疎通は難しい |
36-46 | A2-A2+ | 基本的な情報について述べることができる 途切れ、誤り、言い直しが多々ある。 非常に短い文であれば自分の考えを述べることができる。 母国語のなまりがあるが無理なく理解できる。 | 日常会話ができる |
47-57 | B1-B1+ | 身近な事柄について伝えたいことの要点を包括的に述べることができる 概ね包括的に話し続けることができる。 発音は理解可能である。 主要な使い慣れている構文をある程度の正確さで使うことができる。 | ビジネスで使用できる |
58-68 | B2-B2+ | 大きな負担を感じさせずに、情報や支店を明確に述べることができる 一定のテンポで一定量話すことができる。 発音やイントネーションが明確。 誤解を生むような間違いがない。 意思のつながりがある会話ができるが、時々「抜け」がある。 | ネイティブとも議論できる |
69-78 | C1 | 流暢で自由な表現を、適切な構文を使って明確に話すことができる 流暢に、自由に、自然な言葉遣いで自分の考えを説明できる。 正確で間違いが少ない。 接続詞や結束装置を的確に使用できる。 | ネイティブレベル |
79-80 | C1+ | 微妙な意味合いを正確かつ自然に伝達できる 自由に自然な口語体で自分の考えを詳細に説明できる。 複雑な構文でも適切に使用できる。 | ネイティブレベル |
また、TOEICやGSE、CEFRとの対応表は以下の通りです。

日本人のVERSANT平均スコアは38点
日本人の平均スコアは38点です。
38点は日常会話初級レベル
VERSANTスコア38点は日常会話が成り立つレベル。自由に自分の意見を主張したり、ビジネスで用いるのは厳しいスコアです。
海外赴任に必要な目安は47点以上
ビジネスで英語を使う場合、VERSANTは47点以上が目安となります。海外赴任をする場合にもこのレベルを目指すといいでしょう。
また、履歴書に書くのも47点以上からがよいでしょう。50点以上になると強いアピールポイントになるので、40点代の方は50点以上を目標にしましょう。
ネイティブと議論するなら58点が目安
ネイティブスピーカーと議論できるレベルはVERSANT58点以上が目安となります。このレベルになると、相手にストレスを与えずに自分の意見をスムーズに伝えることができます。
VARSANTのスコアアップに必要な学習方法
VERSANTのスコアの目安がわかったところで、VERSANTのスコアアップのために必要な学習方法を見ていきましょう。
一般的にVERSANTのスコアを10点上げるのに1000時間程度の学習時間が必要と言われています。
日本人の傾向として、「発音」、「流暢さ」のスコアが伸びにくく、「文章構文」「語彙」が比較的伸びやすいと言われているので、英語を口に出すトレーニングを集中的にするとよいでしょう。
結論:音読・シャドーイング・英会話
英語を口に出すトレーニングとして代表的なのが英文の「音読」と、英語の音声を聞いたとおりに発声する「シャドーイング」が効果的です。
また、自分の頭で考えたことを口に出すアウトプットには英会話が最適です。オンライン英会話であれば、月額2000〜3000円から受講できますし、通学の手間もかかりません。
ビジネス英会話に特化したオンライン英会話もあるので、VERSANTのスコアアップを目指したい方は検討してみるとよいでしょう。
ビジネス英会話を学ぶなら、ビズメイツやレアジョブのスマートメソッドがオススメです。
金銭的な理由から、まずは英会話を利用せずに独学したい方は瞬間英作文などでスピーキングのトレーニングをしましょう。
英語を話せるようになるための学習方法については以下の記事でも扱っているので、参考にしてください。
30点未満の人がやるべき学習
VERSANTスコア30点未満の方は基本的な文法や語彙力が知識として定着していないため、中学英語の学び直しをしましょう。
日常英会話は中学レベルの文法、単語を使いこなせればある程度はできるので、まずは上記のテキストを徹底的にやり込みましょう。
コツとしては、英文を必ず音読して口に出すということです。読み書きができても会話ができないとVERSANTのスコアアップに繋がりません。
30点〜40点の人がやるべき学習
VERSANTスコア30〜40点の方は日常英会話であればできるレベルです。質問に対して単語で答えたり、定型文で会話をしたり、簡単な質問・受け答えができるレベルでしょう。
スコアアップに必要なのは、正確なリスニング力と発音の強化です。会話をする際は質問を正確に理解しないといけないため、リスニングの強化に努めましょう。
そのために有効な学習方法が「音読」と「シャドーイング」です。
おすすめの教材が『速読・速聴英単語』シリーズ。ダウンロード音声を聞きながら、上記テキストの英文を暗記するくらい音読すれば、VERSANTのスコアアップに必要なリスニング力や発音が向上するはずです。
40点代前半の人がやるべき学習
40点似到達している方は、文法や語彙力はある程度問題なく身に付いているはずです。この点数の人に必要なのが、回答までの速度と語彙力・表現力の強化です。
回答までの速度を上げるためには、英作文がオススメです。『瞬間英作文』シリーズは英会話学習者からも支持されている書籍なので、一通りやってみることをオススメします。
また、日本語のニュースを英訳する、Twitterのタイムラインをどんどん英訳していく、電車の中吊り広告を英訳するなど、身の回りの目につくものを英語に訳していくようにすると、いつでもどこでも無料で英会話のトレーニングができます。
40点代後半〜50点代の人がやるべき学習
VERSANTスコアが47点前後の方は海外赴任でも困らないレベルの英会話スキルを有しています。ある程度自由に英語で自分のいしを伝えることができるでしょう。
さらにスコアアップを目指すためには、ビジネスシーンで使用される単語や表現を使い、自分の意見を英語で述べることができるようにトレーニングをする必要があります。
そのためには、CNNやBBCなどの海外ニュースやTEDなどのプレゼンテーションを聞いて、内容を要約したり、感じたことや自分の意見などを英語でまとめるのが効果的です。
58点以上の人がやるべき学習
58点以上の方は英語でのコミュニケーションにストレスを感じることなく、自由に伝えたいことを伝えられているはずです。
さらにレベルアップするためには海外ドラマなどで、ネイティブレベルの表現力を身に付けると良いでしょう。
海外ドラマや洋画などで英語を学ぶのであれば、NetflixとLangage Reactorを組み合わせて使用するのがオススメです。
参考:YouTuberのVERSANTスコア
TOEIC満点、または、900点を軽く超えるスコアを持つ英語系YouTuberの方がVERSANTを受ける企画がけっこうあります。ここでは参考程度にTOEICハイスコアホルダーがVERSANTだとどれくらいのスコアになるのかを見てみましょう。
全員ビジネスで通用するレベルの英会話能力を保持していますね。特にAtsueigoチャンネルさんと英語ファイルさんは満点を叩き出しています(!!)
TOEICハイスコアホルダーでもかなり点数に開きがあるので、全くことなる能力を測るテストであることが上記の結果からもわかりますね。
まとめ:英会話力UPにVERSANTを活用しよう!
今回はビジネスの実践的な英会話能力を測るVERSANTについて紹介しました。
VERSANTを受けたことがある方は自分が今どのくらいのレベルなのかおわかりいただけたかと思います。VERSANTを受けたことがない人もぜひ自分の英会話スキルを知るためにVERSANTを受講してみてください!(VERSANTの受講申し込みはこちら)
また、VERSANTのスコアアップを目指している方はこの記事で紹介した学習方法やオンライン英会話の利用も検討してみるとよいでしょう。インプットも大事ですが、実際の会話を通したアウトプットを繰り返すことで英語を話すことに抵抗がなくなり、英会話の学習がスムーズになります。
オンライン英会話の受講を検討している方は、以下の記事に選び方をまとめていますので、自分に合いそうなサービスを探してみてください。
また、短期間でどうしても英語力を伸ばしたい方は英語コーチの利用も検討するとよいでしょう。オンライン英会話よりは高額になりますが、専任のコーチによる学習プランの提案があったり、モチベーション面のサポートがあったりするなど、短期間で効率よく学習するためのサポートが充実しています。
VERSANTを利用して、ぜひ国際社会で使える英会話スキルを身につけてください!