英語の音声を「聞き流す」だけでも効果があるの?
英語学習中の方の中には、上記のような疑問を抱く方も多いのではないでしょうか?
結論から言えば「英語の聞き流し単体では学習効果は期待できない」というのが本音です。
しかし、他の学習方法と組み合わせることによって、ある程度の効果を期待できます。
英語の聞き流しはスキマ時間で取り組むことができるので、忙しい方は積極的に活用するとよいでしょう。
そこで今回は、英語の「聞き流し」を学習に取り入れる際のポイントや、効果的なやり方について紹介していきます。
聞き流し学習を取り入れて、効率よく英語を学習したい方は、ぜひ最後までお読みください。
「英語が話せるようになりたい!」と考えている方は以下の記事も合わせてどうぞ!
英語の「聞き流し」とは?
「聞き流し」とは、集中していない状態で英語の音声を聞き流すことを意味します。
例えば、作業をしながら音楽を聞いているときも、伴奏の1音1音や、歌詞の一言一句まで聞いていませんよね。そのように、音声は流れているものの、注意を向けていない状態を「聞き流し」と定義して話しを進めたいと思います。
「聞き流し」に辞書的な定義はありませんので、「どのくらい集中して聞くのか」というのはその時の状況や個人によって差があると言えます。
英語の聞き流しで英語は上達する?
前述したように「英語の聞き流し単体では大した効果は期待できない」というのが結論です。
もちろん、長い時間を掛けて、子供が母国語を学んでいくようなステップを踏めば、ある程度の効果は得られるかもしれませんが、効率がよいやり方とは言えませんよね。
ただし、他の学習と並行して、あくまで補助的に取り入れたり、自分のレベルに合った教材を選ぶことである程度の効果を得ることができます。
英語で聞き流し学習ができているつもりになるのは、聞いている中に知っている単語がいくつか出てくるからでしょう。
多くの単語の意味がわからないままでは、内容を正しく理解することも、推測することもできません。
自分の理解可能な範囲内で英語を聞くことで、聞き流しのリスニング学習は成り立ちます。
聞き流しの英語学習は、英語の基礎単語や文法が分かっている方に効果的な学習法です。
聞き流し学習するときは、基礎をしっかり身に付けてからはじめたほうが良いです。
英語の聞き流しが効果的でない理由
「意味はわからないがCNNのニュースを流しておく」や「BGM代わりに何となく英語を流しておく」だけでは、脳はただの雑音と認識し、言語学習の効果は見込みません。
英語の音声をただ漫然と聞いているとき、日本人の脳は言語として英語を認識せずに、雑音として処理します。
つまり、自動車の音や家電製品の作動音などと同じように扱われるわけです。
しかし、正しいやり方で聞くことができれば、一定の効果があることが証明されています。「聞き流すだけで英語が上達したい!」と思うなら、聞き流し学習の「正しい方法」を理解して行う必要があります。
効果的に英語の「聞き流し」を学習に取り入れるには?
では、聞き流しで学習効果を得るためには、どのようなポイントに気をつければよいでしょうか?ここでは、3つのポイントについて紹介します。
①すでに内容がわかっている音声を使う
1つ目の方法は「すでに内容がわかっている音声を使う」ということです。
すでに内容がわかっている音声を聞き流す場合、英語特有の発音・イントネーションを定着させる効果が期待できます。
この方法で聞き流しを取り入れる場合は、シャドーイングや精聴などをで学習済みの音声を聞き流します。
すでに内容は理解しているので、意味を理解するために脳のリソースを割く必要がありません。スクリプトも意味もわかったうえで、発音やイントネーションを学ぶことは、英語の発音に慣れるために有効な学習です。
②短いフレーズを集めた音声を使う
2つ目の方法は「短いフレーズを集めた音声を使う」ということです。
短いフレーズを集めた音声を使って聞き流しを繰り返すことで、頻出の表現を自然と覚えることができます。
歌を聞くときも、一言一句に注意して聞いているわけではないものの、繰り返し聞いているうちに何も見ずに歌えるようになりますよね。
それと同様に、何度も短いフレーズを聞き流すことによって、ある程度の言い回しを自然に覚えることができます。
③あくまで補助的な学習として活用する
英語の聞き流しのよいところは、他の作業をやりながらでも、移動中でもできるところです。
猫と遊びながら、掃除をしながら、お風呂に入りながら実践することができます。
また、テキストを広げて勉強することができない満員電車の中でも、揺れるバスの中でも、英語の音声があればすぐにやることができます。
そのため、スキマ時間を活用した補助的な学習としてもってこいです。
メインの学習ではシャドーイングやディクテーションなどを行い、スキマ時間で聞き流しを活用することで効率良く英語を身に付けることができます。
英語の聞き流しに取り組む際のポイント
ここからは英語の「聞き流し」の学習方法について解説します。漫然と聞き流しているだけでは効果は低いので、しっかりとポイントを押さえましょう!
自分のレベルに合った教材を使う
英語の聞き流しをする際は、自分のレベルに合った教材を選びましょう。
音声のスクリプトを見たときに、知っている単語が8割程度あるものが適切です。難易度が高すぎて何を言っているのかまったく聞き取れない状態ではリスニングの学習になりません。
また、未知語が出てきても文脈からなんとなく推測できるくらいのレベルであれば、新たなフレーズも学ぶことができます。
オススメの教材は後述しますので、複数試してみて、自分に合ったものを選んでください。
まずは基礎を押さえる
英語初心者の方の場合は、まずは基本的な知識から学習しましょう。
英語の音声を聞き流すだけでは、語彙力の強化や文法学習はできません。そのため、最低限の文法や語彙は事前に理解しておく必要があります。
また、聞き流しをする前に、スクリプトで単語や構文を予習しておくことも有効です。
ある程度意味を理解しながら聞くことで、単語やフレーズを記憶に定着することができ、英会話スキルの向上につながります。
語彙力が鍛えられれば、聞き流すだけでもある程度内容が理解できるようになります。そうすれば、聞き流しの効果をよりえられますので、まずは基本的な単語や構文を覚えるとよいでしょう。
毎日継続する
日本語と英語は発音がまったく異なるため、日本人の英語学習者は英語の「音」に慣れる必要があります。
英語の「音」をたくさん聞くことによって、耳・脳が英語のリズムやイントネーションに慣れていきますので、英語への抵抗感が減っていきますし、次第に聞き取れるようになっていきます。
英語ができるようになるためには、コツコツと地道な努力を積み重ねるしかありませんので、少しでも英語に触れる時間を毎日作っていきましょう。
聞き取れなかった音声が聞き取れるようになってくると、英語が楽しくなってきますよ。
英語の聞き流しにオススメの教材
続いて、聞き流しをするのに最適なおすすめの無料教材を紹介します。英語の勉強を始めたばかりの方でも取り組めるものも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、以下の記事でも無料で英語が学習できるサイトを幅広く紹介しているので、参考にしてください。
News in Levels

「News in Levels」は、1つのニュースに対して3つのレベルのスクリプトを用意してくれています。
各レベルは以下のようなイメージです。
- レベル1:中学1〜2年生程度
- レベル2:中学3年生程度
- レベル3:高校基礎程度
レベル1であれば、中学1〜2年生レベルの単語を使用し、シンプルな短文が多いため、英語が得意でない方でもある程度できるはずです。
Be Smart
「Be Smart」は子供のころに持つような素朴な疑問に対して、科学的な答えを示してくれるYouTubeチャンネルです。上の動画では「自然の中で、青色があまりない理由」を説明してくれています。
英語初心者の方には難しい内容ですが、雑学が好きな方や、知的好奇心が旺盛な方はきっと興味を持って学習ができると思います。
TED

「TED」は、さまざまな分野で活動するプロフェッショナルのプレゼンテーションを視聴することができます。
学者、経営者、実業家、アスリートなど、幅広いテーマのプレゼンテーションがあるので、興味のあるものが見つかると思います。
世界中のプロフェッショナルのプレゼンテーションを無料で視聴できるというのは、便利な時代になったなあと思いますね。
BBC Learning English

『BBC Learning English』イギリスの国営放送であるBBCが運営するサイトです。
BBCのニュースを題材に英語が学べる教材がたくさんあり、更新性も高いため、学ぶものがなくなるということがありません。
レベル別に分けるならば、以下のラインナップがオススメです。
- 初心者:The English We Speak
- 中級者:English at Work
- 上級者:British Chat
楽しみながら視聴できるものが多いので、飽きずに学習を続けられる点も大きな魅力ですね。イギリス英語を身に付けたい方にもオススメです。
VOA Learning English

アメリカの国営放送が提供するニュース番組であるVOAの動画を視聴できます。
自然なアメリカ英語で、難しい言い回しやスラングがないため、基礎力を強化したい方にオススメです。
また、字幕が自動的にスクロールしていき、再生速度も変更できるため、リスニング学習に非常に便利です。
カテゴリー別でニュースを選ぶことができるため、興味のあるものからやってみると良さそうですね。
上記で紹介した以外でも、リスニング学習に活用できる教材は沢山あります。以下の記事でも紹介しているため、もっと知りたい方は参考にしてください。
聞き流しと並行してやるべき学習
英語の聞き流しはあくまでも補助的な学習として位置づけるべきということは前述のとおりです。それでは、並行してやるべき学習としてはどのような学習があるでしょうか?
ここでは、主に英語のリスニング力強化のためにやるべき学習を3つ紹介します。
シャドーイング
シャドーイングとは、流れてくる英語音声を聞き取り、英語音声よりも少し遅れて復唱するトレーニング方法です。
様々な研究でリスニング力強化や、発音の改善、リーディングスピードの向上などの効果が認められています。
もともとは同時通訳者のトレーニングとして広まったものですが、現在は英語学習者に幅広く取り入れられています。
シャドーイングは難易度の高いトレーニングなので、正しい方法で取り組むことが大切です。シャドーイングの効果的なやり方については以下の記事で紹介しています。
オーバーラッピング
シャドーイングが音声だけで実施するのに対して、オーバーラッピングは、英語音声を聞きながら、英語音声と同時に、英語のスクリプトを読み上げるトレーニングです。
ちょうど、正しい発音を聞きながら音読するようなイメージです。
こちらもリスニング力の強化や発音の改善に有効なトレーニングであり、英語学習者に幅広く取り入れられています。
シャドーイングに比べて負荷が低いため、シャドーイングが難しくてできない方にもオススメです。
ディクテーション
ディクテーションは、英語音声を書き取るトレーニング方法です。
シャドーイングは聞こえてきた音声をそのまま復唱するのに対して、ディクテーションを音声を文にする必要があるので、より正確なリスニングが求められます。
ディクテーションとは、聞き取った英語の音声を書き起こすトレーニング方法のことです。文字に書き起こすことで、どの単語が聞き取れてどの単語が聞き取れなかったのかがピンポイントで分かります。
ディクテーションを行うことで、「LとRの聞き分けが苦手だな」「リエゾン(音と音が結合)すると聞き取れなくなってしまうな」と自分の苦手とする箇所が分かります。
「自分の英語の弱点を探したい」という方におすすめの勉強方法です。ディクテーションについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まずは基礎をしっかりと学ぼう!
今回は英語の「聞き流し」について解説しました。
最後に聞き流しを英語学習に取り入れる際のポイントを復習しましょう!
- 英語の基礎学習は別途必要
- 自分のレベルに合った教材を使用する
- シャドーイングなどの学習の補助として取り入れる
- 毎日英語に触れる時間を作る
特に忙しい社会人の方は通勤時間や家事の時間を活用して、英語の聞き流しを取り入れるとよいですね。
また、英語を学んだらアウトプットする場として「オンライン英会話」を活用するのもオススメです。インプットした内容を英会話でアウトプットすることで、英語の学習効果は飛躍的に高まります。
安いオンライン英会話であれば、1レッスンあたり200円程度で受講することができ、24時間いつでもレッスン可能なスクールも少なくありません。
「英会話を始めようかな…」と考えている方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
また、「英語の学習にお金をかけたくない!」と思っている方もいるかと思います。
もちろん、お金を掛けずに英語を学ぶことは可能です。
以下の記事では、無料で英語が学べる良質なサイトをまとめていますので、自分に合ったものを探してみてください!